心理

運用に注意!! 記憶定着に役立つはずの過剰学習の意外な副作用

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勉強は誰しも効率よく行いたいものですよね。

学習は「新しいもの」を始めて覚えるだけではなく、すでに「覚えているもの」についてもより強固な記憶にするということでもあります。

「覚えているもの」ばかり勉強しても成長に繋がりにくいし、かといって放置するとせっかく覚えたものも忘れてしまいます。

結局はバランスの問題なのですが、「覚えているもの」を学習する「過剰学習」ついて面白い研究が実施されていました。

これでバランスの取り方を意識した勉強法ができるかもしれません。

過剰学習とは

学習をしていくと、最初のうちは学習が進むのですが、同じところを何度も学習していくと学力の向上が見られなくレベルに達します。

フラッシュカードとかで「全部答えられた!」って状態がそれです。
全部正解できる状態になったら、その範囲での学力はこれ以上向上しませんよね。

この状態でもさらに学習を重ねることを過剰学習といい、知識の定着に役立つことはなんとなく想像できるかなと思います。

でも、本当に過剰学習で知識が定着するの?というのを調べた研究があったのでご紹介です。

過剰学習に関する実験

学術誌Natureにも掲載された2017年に行われたブラウン大学の研究が今回の元ネタになります。

実験の内容

過剰学習を行うグループと、過剰学習を行わない(通常学習)グループに分けそれぞれ学習の効果が出るのかどうかを調べる実験です。

①トレーニング
1つの課題(40施行を1ブロック、約2分)を通常学習グループは8ブロック、過剰学習グループは16ブロックとして学習を行いました。
※8ブロックくらいで成績向上がみられなくなる = 16ブロックは過剰学習というわけです。
(これをトレーニングAとします)

②休憩
トレーニングの後に一定時間の休憩を挟みます。

③もう一回トレーニング
今度は①と違って全員8ブロックのトレーニングを行いました。
(これをトレーニングBとします)

④トレーニングの結果を確認
テストをしてどれくらい覚えていたかを確認

こんな感じの実験でした。

過剰学習の効果あったのか?

過剰学習については意外な効果が発見されました。

テストの結果をまとめるとこんな感じ。

トレーニングA トレーニングB
通常学習 成績悪い 成績良し
過剰学習 成績超良し 成績ちょい悪

まとめると
①通常学習ではトレーニングAの結果がダメダメだった
②通常学習ではトレーニングAに比べてトレーニングBの成績が良かった
③過剰学習ではトレーニングAとても良かった!!!!
④過剰学習ではトレーニングBがちょっと悪かった

要するに
過剰学習は記憶定着に役立つけれど、過剰学習のあとに似たような内容の事柄を勉強しても頭に入らんぞという結果になりました。

また、別の実験からこの過剰学習の効果は、トレーニングの間の休憩時間を3.5時間まで伸ばすとなくなるという結果になりました。

脳神経の興奮状態、抑制状態

人間は学習をすると、脳が興奮状態になり「学習したことを新しく覚える!」モードになります。
(仮に「記録モード」と呼びます。)

ところが過剰学習を行うと脳の興奮が収まり抑制状態に移行します。
この時脳は「学習したことを定着させる!」モードに切り変わるわけです。
(仮に「定着モード」と呼びます。)

イメージとしては
短期記憶を作る記録モード
長期記憶を作る定着モード
って感じですね。

記録モードのまま新しい学習をすると、古い学習で学んだことは上書きされて覚えられない!って感じなのかなー。
そして記録モードは定着モードで学習した内容をベースに記憶していくから、似た内容のことを覚えにくいと。

実際の学習での活用

どのモードで学習したものかを把握して学習スケジュールを立てるというのかこの過剰学習の肝になりそうですね。

過剰学習で繰り返し覚えた場合は以下の2つの点に気をつけてスケジューリングをする必要があります。
①3.5時間以上休憩(インターバル)を挟む
②全く別分野の勉強を実施する。

実験結果から察するに、こういった簡単な工夫で「過剰学習の弊害」を軽減できるわけですね。

終わりに

今回の研究は2017年のもので、きちんとした理論が確立しているとは言いがたいのですが、過剰学習によって後発の学習効率が下がることがあるというのは面白い結果です。

こういった研究結果をもとにより効率の良い勉強の仕方が確立されると嬉しいですね。

それではまた。

しまふくろー

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