長期計画を必要とする目標の達成は、計画当初よりも困難になる傾向にあります。
それはあなたの計画遂行能力が低いというわけではなく
そもそも計画自体が甘い可能性があります。
Contents
計画錯誤とは
まずは計画錯誤って何?というところから。
アメリカの社会心理学者ダニエル ・カーネマンが提唱した「人は計画ってモノを甘めに見積もっちゃうものだよ」という傾向です。
もうちょっと真面目な文で表現すると
人は計画を立てる際に、リスクやコストなどの計画を制限、阻害する要素を過小評価し、計画遂行能力などのプラス要素は過大評価する傾向がある
ということです。
宿題楽勝で終わると思っていたけどダメだったーーー!!!
みたいな経験ありませんかね?
それです
ロジャー・ビューラーの課題提出期間の実験
カナダのロジャー・ビューラー心理学教授が行なった実験を紹介します。
(めっちゃ有名なやつです。)
ロジャー・ビューラーは学生37名に対してあるテーマで論文を書くという課題を出しました。
その課題について「どれくらいの期間で提出できるか」を質問したところ
学生の回答の平均日数は33.9日となった。
ところが、実際に課題が提出された際の日数を平均すると55.5日と大きく遅延する結果となった
学生の見積り甘ーーーい!!
え?これでシュガーレスなの??ってくらい甘いよーーー!
ちなみにですが、ロジャー・ビューラーによると「人は課題完遂までの時間を平均して最大40%過小評価する傾向にある」らしいです。
ダニエル・カーネマンの教科書執筆期間
ダニエル ・カーネマンが教科書執筆の仕事をしていた時のお話です。
(これも有名な話なんだけど面白い)
執筆を始めてから1年が経った頃、教科書執筆チームのメンバーにこんな質問をしました。
「最終案を提出するまでに、あとどのくらいかかるかな?」
メンバーの回答は最短でも1年半、最長の予想したメンバーでは2年半ということでした。
ところが
実際に教科書が完成するまでにはなんと8年の歳月を要しました。
メンバーの見積りあm(以下略)
計画錯誤の威力半端ないですね笑
話は逸れますがダニエル・カーネマンは2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
計画錯誤による目標の未達成を防ぐ方法
計画錯誤は身近なところで頻繁に発生します。
現代日本を生きる上でこの「甘い見積り」はちょっとよろしくないわけです。
というわけで計画錯誤による目標の未達成を防ぐ方法3つです。
やることを削る
マージン、バッファを確保する
客観視できる状況をつくる
やることを削る
計画を立てる時、おそらくこの時の計画実行に対するモチベーションは最大値を計測していることでしょう。
もちろんモチベーションが高いことは大変良いことですが、こと計画についてはマイナスに働くことがあるわけです。
計画時は「あれもこれも全部やってやるぜ!!!」というモチベーションに任せた勢いのある計画を立てがちになります。
やばいのはなんとなくわかりますね笑
計画を立てたら1日2日寝かせて落ち着いてから再度見直して「本当に必要なこと」を厳選しましょう。
マージン、バッファを確保する
マラソンと同じで、そもそも計画に対して全力で取り組み続けること自体が不可能です。
42.195kmもの距離を全力疾走できますか?
無理ですよね。
計画時は「全力で走り続けられる感覚」で見積りがちになります。
計画完遂能力も常時全力というパフォーマンスは無理なので、スローダウンした時のバッファ、マージンを意図的に組み込みましょう。
客観視できる状況をつくる
計画錯誤は客観視する事で抑制可能です。
見積りをするときに「周囲の意見を取り入れる」、「過去の経験を参考にする」だけでも主観要素を軽減できます。
もっと客観的に捉えるためには、可視化や数値化をするという方法があります。
プロジェクトマネジメントでもよく使うガントチャートのように可視化や数値化をするツールが有効です。
まとめ
やることを削る
マージン、バッファを確保する
客観視できる状況をつくる
終わりに
計画錯誤はなかなか厄介で、知らないと大抵の目標達成が困難になってしまいます。
逆に、知ってさえいれば十分対応可能だと思います。
本記事でご紹介した方法以外でも、自分にあった計画錯誤の回避方法を探ってみるのがいいと思います。
それではまた。
しまふくろー