というわけで今回はエビングハウスの忘却曲線にまつわる大きな勘違いを正していきます。
にわか知識を披露して恥をかく前にここで真実を知ろう!
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エビングハウスの忘却曲線
エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが記憶が時間とともに指数関数的に失われるという現象を数値化し、グラフ化したものです。
あるサイトでは、
人はある文字列を記憶した時には
20分後には42%を忘れる。
1時間後には56%を忘れる。
1日後には74%を忘れる。
1週間後には77%を忘れる。
1ヶ月後には79%を忘れる。
ということがわかりました。
と、説明している輩がおりますが
全然違います。
エビングハウスの実験
どこが違うのかというと、エビングハウスの実験内容を詳しく見るとわかります。
実験参加者は「無意味つづり」と呼ばれる意味のない音の並びが書かれたカード(10枚とか20枚とか)を見てひたすら覚えます。
そして全部覚える(暗唱できるようになる)までにかかった時間を記録していきます。
この時間の割合が有名な「エビングハウスの忘却曲線」のグラフなのです。
冷静に考えてみてください。
「おるあ」「みとへ」「かえほ」「なずと」…といった無意味な音節を10個や20個暗記したまではいいでしょう。
3日前の夜ご飯だってまともに思い出せねーよ!!!
「忘れる」ではなく「再記憶」する
実験内容からわかるように、エビングハウスの忘却曲線の実験では覚え直しの時間を記録しています。
つまり、どれだけ忘れるかではなく、学習を繰り返すととどれだけ覚えやすくなるかのグラフなのです 。
この比率を節約率と言います。
エビングハウス忘却曲線からは
20分後には節約率が58%だった。
1時間後には節約率が56%だった。
1日後には節約率が26%だった。
1週間後には節約率が23%だった。
1ヶ月後には節約率が21%だった。
ということがわかるわけです。
どれだけ忘れるかは関係ありません。
忘却曲線というネーミングがおかしいのかもしれないけれど。。。
しかし、皆さんはネット上の間違った知識情報に騙されないでください。
嫌いな人がエビングハウスの忘却曲線について間違った知識をドヤ顔で説明してきたときはチャンスです!
最高に悲しげな顔をして「それ間違ってるよ」と心をへし折ってあげてください。
エビングハウスの忘却曲線からわかること
ネタバレ済みですがエビングハウスの忘却曲線からわかることは、節約率です 。
つまり
ということ。
だんだん復習に使うべき時間は短くなるから、勉強した始めた時は時間がかかっても大丈夫。頑張れ!
以上です。
終わりに
私は大学で心理学を専攻していたので、この無意味つづりを覚える実験に参加したことがあります。
(初頭効果と親近効果を確かめる授業だった気がします。)
これが結構覚えにくいんですよね。。。
意味のある単語だとそれなりに覚えられるのですが無意味つづりはマジでつらいです笑
エビングハウスの忘却曲線はこんなにも有名なのに、間違った説明がかなり広まってしまっていることに驚きました。
大人の教養として、ぜひエビングハウスの忘却曲線の正しい知識を持っておいてください。
それではまた。
しまふくろー